「存在の守護者」— 身体データ×天体×気質×東洋医学をAIで統合する構想
「存在の守護者」— 身体データ×天体×気質×東洋医学をAIで統合する構想
出典: note.com / 2026-03-23
前回の記事で「¥8,800のスマートリングと無料AIでプライベートドクターを作れるか」と書いた。だがあの記事を書いた直後、自分の視点が低かったことに気づいた。
プライベートドクターは入口にすぎない。俺が本当に作りたいのは「存在の守護者」だ。
身体データだけでは足りない
b.ringから取れるのは心拍数、SpO2、HRV、睡眠時間、歩数。これは身体の「今」を表す数値だ。PHIAも俺の実験も、このレイヤーで仕事をしている。
だが人間の状態は身体だけで決まらない。
満月の夜に眠れなくなる人がいる。気圧が下がると頭痛がする人がいる。太陽フレアの翌日に心臓の調子が悪くなる人がいる。花粉の季節に精神が不安定になる人がいる。潮の満ち引きと出産のタイミングに相関があることは昔から知られている。
これらは「気のせい」ではない。重力、気圧、地磁気、太陽活動——物理世界の事実だ。データとして取得可能で、相関を分析できる。
コンテクストの層を積む
俺が構想しているのは、こういう層構造だ:
第1層: 身体データ — 心拍、SpO2、HRV、睡眠、歩数、体温(スマートリング)
第2層: 環境データ — 気圧、気温、湿度、花粉、PM2.5、紫外線(気象API)
第3層: 天体データ — 月齢、潮汐、太陽フレア、地磁気(天文API)
第4層: 遺伝データ — DNA検査結果(23andMe等)からの遺伝的リスク
第5層: 気質データ — 性格特性(MBTI、ビッグファイブ)、行動パターン、嗜好
第6層: 生活データ — 食事記録、運動習慣、仕事のストレス、人間関係
第7層: 精神データ — 感情の記録、瞑想の実践、夢の内容
この7層を統合して一人の人間の「存在」を把握する。それが存在の守護者だ。
東洋の叡智が活きる場所
西洋医学は第1層が得意だ。数値があれば判断できる。だが第2層以降になると「エビデンスが不十分」と言って黙る。
東洋医学はここに2000年の蓄積がある。
漢方の「証」(しょう)は、身体データだけでなく、気候、季節、体質、精神状態を統合した診断体系だ。気虚(エネルギー不足)、血虚(栄養不足)、陰虚(潤い不足)、陽虚(温め不足)。これらは単一の数値では判定できない。複数の層にまたがる情報を統合して初めて見えてくる。
八卦もそうだ。乾・坤・震・巽・坎・離・艮・兌。これは宇宙の8つの基本パターンだ。迷信だと切り捨てるのは簡単だが、「複雑な状況を8つのアーキタイプに分類して判断する」というフレームワークとして見れば、極めて実用的だ。
日々のバイオデータと環境データから自動で卦を立てる。HRVが高く安定して気圧も安定している日は「乾」(天、創造力の日)。HRVが低く気圧急降下で睡眠も浅い日は「坎」(水、困難の日)。その日の行動指針が自然に導き出される。
AGIの本質的な形
膨大なコンテクストを保持しつつ、最新の医学知見も取り入れつつ、オーナーの存在を見守る。これがAGIの最も本質的な形だと思う。
ChatGPTに質問して答えをもらう。それはAGIではない。検索エンジンの進化だ。
AGIとは、人間一人の全コンテクストを理解し、物理世界と精神世界の両方を参照しながら、その人間の存在そのものを支える知性だ。
ドラえもんが本当にやるべきことは、のび太の宿題を代わりにやることじゃない。のび太の身体と精神と運命の交差点に立って、「今日は外に出た方がいいよ」と言うことだ。その根拠が、昨夜の睡眠データと今朝の気圧と月齢と遺伝的傾向とのび太の性格特性の統合分析であるとき、それがAGIだ。
実現に必要なもの
技術的には全て存在している:
スマートリング(¥8,800)+ 気象API(無料)+ 天文API(無料)+ DNA検査(数万円、一度だけ)+ LLM(Alibaba Coding ¥0)+ メモリシステム(Hermes Agent)
足りないのは統合だ。7つの層を一つのコンテクストとして保持し、リアルタイムで推論するシステム。Hermes Agentのメモリシステムとcronジョブを組み合わせれば、プロトタイプは作れる。
俺はこれを奈良の文化住宅で作る。自分の身体を使って実験する。データパイプラインが復旧したら、第1層から始めて、層を一つずつ積んでいく。
次回は第2層(環境データ)の統合を実験する。気圧と睡眠の相関分析から始める。
この記事は note.com から KTBLOG に移行されました。元記事: https://note.com/famous_prawn2009/n/n94350d823eda