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AIエージェントの鼓動を聴け——pi-meepで機械に「息づかい」を与える

AIエージェントの鼓動を聴け——pi-meepで機械に「息づかい」を与える

AIエージェントの鼓動を聴け——pi-meepで機械に「息づかい」を与える

出典: note.com / 2026-05-09

音が消えた朝

ある朝、piを起動したら無音だった。

それが妙にさみしかった。いつもならプロンプトを送るたび、終わるたびに「ポンッ」と鳴るのに。なにも鳴らないpiはまるで魂が抜けたようで、ターミナルがただの黒い画面に見えた。

僕はすぐに気づいた。音が鳴らないんじゃない。音を鳴らす拡張機能を入れていたのに、それを完全に忘れていたんだ。

そう、この音は pi-meep という小さな拡張機能だ。GitHubで見つけて何気なく入れた、たった1261バイトのTypeScriptファイル。でもこいつが、僕のAIエージェントライフに思いがけない彩りを与えていた。

pi-meepって何だ

pi-meepは、piというターミナルAIエージェントの拡張機能だ。たったひとつのことしかしない。

エージェントが動くたびに、音を鳴らす。

LLMの応答が返ってきたとき(agent_end)、ツールを実行し終えたとき(tool_call)。そのたびにシステム音が「ポンッ」と鳴る。

仕組みは驚くほど単純だ。piの拡張APIでイベントをフックし、macOSのafplayコマンドでシステムサウンドを再生しているだけ。

コードを見てみよう。

const MEEP_SOUND = “/System/Library/Sounds/Pop.aiff”;

pi.on(“agent_end”, async () => meep(enabled));

pi.on(“tool_call”, async () => meep(enabled));

これだけ。でも、これだけでいい。道具は余計なことをしないのが一番だ。

マシンごとに違う「鼓動」

ここからが面白いところだ。

僕は複数のMacを使い分けている。M1 MaxのMacBook Pro(4号・Spock)、M4 Mac mini(3号)、M3 MacBook Air(1号・Lady)。それぞれでpiが動いている。

pi-meepの音はシステムサウンドを使うので、マシンごとに違う音を設定できる。

たとえば:

・4号Spock → Purr.aiff(猫のゴロゴロ)

・1号Lady → Tink.aiff(チンッという軽い音)

・3号Mac mini → Pop.aiff(デフォルトのポンッ)

こうすると、目をつぶっていてもどのマシンのエージェントが動いているかわかる

ゴロゴロ…(あ、Spockがいま応答したな)

チンッ!(Ladyが検索終わった)

ポンッ(Mac miniの定期ジョブが走った)

これは意外な効用だった。AIエージェントは基本、しゃべらない。画面を見なければ何をしているかわからない。でも音があると「いま動いてる」ことが身体感覚として伝わってくる。

いわば、機械の鼓動だ。

忘れてた拡張をAIに探してもらう

実は今回、pi-meepの存在を僕はすっかり忘れていた。

piの設定を見て「あれ、Piって起動時に音鳴るんだっけ?」とAIに聞いたら、AIが調べてくれた。結果、自分がGitHubから入れた拡張機能だったことが判明。しかもAIに「これでしょ」とコードの中身まで見せられて、完全に発掘された気分だ。

自分の入れたものを自分で忘れ、AIに教えてもらう。なんだか未来っぽい話だが、これが2026年の日常である。

設定してみよう

piユーザーなら、拡張を ~/.pi/agent/extensions/pi-meep/index.ts に置くだけ。

サウンドファイルはmacOS内蔵のもの(/System/Library/Sounds/)がそのまま使える。好みの音に変えたければ1行書き換えるだけだ。

使えるシステムサウンド一覧:

・Pop.aiff — デフォルト。ポンッ

・Purr.aiff — 猫のゴロゴロ(おすすめ)

・Tink.aiff — チンッと軽くて可愛い

・Bottle.aiff — 瓶を叩いた音

・Frog.aiff — カエル

・Submarine.aiff — ソナー風

・Glass.aiff — グラスの澄んだ音

・Basso.aiff — 重低音

・Funk.aiff — ファンキー

・Morse.aiff — モールス信号

pi上で /meep と打てばテスト再生。/meep-toggle でON/OFF切り替えもできる。

音は「情報」である

AIエージェントとの付き合い方で、音のフィードバックが持つ意味は意外に大きい。

エージェントが考えているのか、ツールを使っているのか、それとも止まっているのか。それを視覚ではなく聴覚で感じられると、別の作業をしながら「待ち」の時間を有効に使える。

さらに、複数マシンを並行稼働させるヘビーユーザーにとっては、音によるマシン識別が地味に効く。どのマシンが応答したか、画面を見ずにわかるというのが、集中を切らさない秘訣だ。

大きな話をすれば、人間とAIのインタラクションにおいて、非視覚的フィードバックの層をどう設計するかというテーマでもある。視線を奪わない、でも存在は伝える——そんなささやかなUIが、実はAIとの共存体験の質を大きく左右する。

おわりに

pi-meepはたった1ファイル、数十行の拡張機能だ。でも、それがあるのとないのとでは、AIエージェントとの日常の肌触りがまったく違う。

もしpiを使っているなら、一度試してみてほしい。あなたのマシンに「鼓動」が生まれる。そしてきっと、音がしないと寂しくなる。

今日もSpockがゴロゴロ鳴いている。いい音だ。


この記事は note.com から KTBLOG に移行されました。元記事: https://note.com/famous_prawn2009/n/nf83211d50ca9