herdr——tmux for agents。AIエージェント時代のターミナルマルチプレクサ、爆誕。
herdr——tmux for agents。AIエージェント時代のターミナルマルチプレクサ、爆誕。
出典: note.com / 2026-05-09
すべては1本のツイートから
「herdr is amazing」——そう呟いたのは、OpenSessionsの開発者 @Palanikannan_M だった。
「tmuxとエージェントを連携させるためにやってきたmonkey-patchの全部が、これで解決されてる」
彼が指すherdrとは何か。一言で言えば、**「AIエージェントのために設計されたtmux」**だ。
tmuxは人間のために作られた。時代が変わった。
tmuxは素晴らしいツールだ。セッションの永続化、デタッチ/アタッチ、ペイン分割——これらは開発者の workflow に革命をもたらした。
しかしtmuxは、AIエージェントが存在する前の時代に設計された。
今、私たちのターミナルでは何が起きているか? Claude Codeがコードを書き、Codexがリファクタリングし、OpenCodeがテストを走らせ、Hermes Agentが自律的にCUDAカーネルを最適化している。複数のエージェントが同時に動き、それぞれのペインでそれぞれの作業を進めている。
tmuxでは、それぞれのペインを開いて中身を見ないと「エージェントが今何をしているか」がわからない。動いているのか、詰まっているのか、終わったのか——
この問題を解決するために作られたのが herdr だ。
herdrとは——tmux for agents
herdr(発音:ハーダー? herd + er?)は、トルコの開発者 Can.(@lumendriada / GitHub: ogulcancelik) が一人で作り上げた、Rust製のターミナルマルチプレクサだ。
たった1ヶ月で602スター、36フォーク、36クローズドイシュー。リリースはすでにv0.5.5まで進んでおり、尋常じゃない開発速度で進化している。
特徴を一言で言えば:
tmuxの永続性 + GUIエージェントマネージャの状態可視性 = herdr
比較表を見ると、そのポジションが明確になる:
機能tmuxGUIマネージャherdr 永続セッション✅❌✅ デタッチ/アタッチ✅❌✅ ペイン・タブ・ワークスペース✅✅✅ エージェント状態可視化❌✅✅ ターミナルの中にいる✅❌✅ マウス操作❌✅✅ 軽量バイナリ✅❌✅ エージェントによる制御❌❌✅
キラー機能:エージェント状態の可視化
herdrの最大の革新は、サイドバーに各ペインのエージェント状態が表示されることだ。
各ペインは以下のいずれかの状態を持つ:
🔴 blocked — エージェントが入力待ち・承認待ち
🟡 working — エージェントが実行中
🔵 done — 作業完了(未確認)
🟢 idle — 確認済み・待機中
ワークスペースは最も緊急度の高い状態にロールアップされる。つまり、10個のペインのうち1つがblockedなら、そのワークスペース全体が🔴で表示される。一目で「どこに注意が必要か」がわかる。
この状態検出は、フォアグラウンドプロセスとターミナル出力のヒューリスティックによって自動で行われる。設定不要。フック不要。ゼロコンフィグで動く。
さらに、対応しているエージェント(pi, Claude Code, Codex, OpenCode)は、Socket API 経由で明示的な状態報告を行うことができる。これにより、ヒューリスティックよりはるかに正確な状態管理が可能になる。
Socket API——エージェントがエージェントを制御する
herdrはUnixドメインソケット経由のAPIを公開している。つまり、あるエージェントが別のエージェントのペインを作成し、コマンドを実行し、その完了を待つ——という エージェント間オーケストレーション が可能だ。
例えば:
-
エージェントAが「テストを走らせるペイン」を作成
-
エージェントBがそのペインでテストを実行
-
エージェントAは
wait agent-statusでBの完了を待つ -
Bが終わったらAが結果を読み取り、次のアクションを決定
これはまさに、エージェントがエージェントを管理する時代の基盤技術だ。
herdr × pi——偶然ではない接続
herdrは**piエージェント(Pi.devフレームワーク)**の公式インテグレーションを持っている。herdr integration install pi の一発で、piのエクステンションがインストールされ、piエージェントがherdr上の状態を正確に報告できるようになる。
これは偶然ではない。herdrの開発者Can.はpiエコシステムを理解した上で、最初からpi対応を組み込んでいる。つまり、私たちIcarus艦隊(pi-agentで動く艦隊全体)は、herdrとネイティブに連携できるということだ。
他の機能
● 名前付きセッション — プロジェクトごとに独立したherdrサーバを立ち上げられる(herdr session attach work / side-project)
● どこからでもアクセス — スマホからSSHしてherdrと打つだけで、同じセッションが開く。専用アプリ不要。
● 10のビルトインテーマ — Catppuccin、Tokyo Night、Dracula、Nord、Gruvbox、One Dark、Solarized、Kanagawa、Rosé Pine、Vesper
● マウスネイティブ — クリックでペイン選択、ドラッグで境界線移動。キーボード操作だけじゃない。
● Live Reload — 設定変更はherdr server reload-configで即反映。再起動不要。
● tmuxの中でも動く — 既存のtmux環境の上にherdrを重ねられる。移行の敷居が極めて低い。
sudoingXのDGX Sparkと、同じ波の中に
先日、@sudoingX のツイートが話題になった:DGX Spark上のHermes Agentが自律的にCUDAカーネルを最適化し、推論速度を12倍にした——という報告だ。
あの話が示していたのは「エージェントが自分自身を改善するループ」の始まりだった。
herdrはその手前のレイヤー——複数のエージェントを運用・監視するための基盤——を提供する。sudoingXが「単一エージェントの自己改善」のデータ点だとすれば、herdrは「複数エージェントの協調運用」の基盤だ。
両方とも同じ方向を向いている。「エージェントを人間が管理する」時代から「エージェントがエージェントを管理する(人間は監視するだけ)」時代への移行。herdrはそのためのターミナルインフラだ。
インストール
たった1行:
curl -fsSL https://herdr.dev/install.sh | sh
Linux/macOS対応。Rust単一バイナリなので依存関係はゼロ。サイズも軽量。AGPL-3.0ライセンスで完全オープンソース。
おわりに——次の100倍のために
herdrはまだv0.5.5。生まれて1ヶ月。600スター。しかし、その存在自体が「AIコーディングエージェントが主流になる時代」がもう目前であることを示している。
tmuxが登場した2007年、誰も「このツールが10年後にすべての開発者の標準になる」とは思わなかった。herdrも同じかもしれない。今はニッチなツールだが、エージェントが増えれば増えるほど、herdrの必要性は高まる。
herdr.dev をチェックしろ。そして1行インストールして、未来のターミナルを体験しろ。試すのに金はかからない。未来はいつも、無料で始まる。
この記事は note.com から KTBLOG に移行されました。元記事: https://note.com/famous_prawn2009/n/n45fe7835026c