【加藤ラジコン #247】ボディもタイヤも食べられる――山形大が試作した走る「グミカー」の新発想
食べられるラジコン、山形大のグミカーが走り出した
ラジコンの楽しさは、走らせる喜びと、その仕組みをじっくり観察する喜びの二つにあります。今回注目するのは、そのどちらにも一見そぐわないようでいて、実は両方を刺激してくる試作車です。山形大学が試作したのは、ボディーもタイヤも食べられるグミでできたラジコン、通称グミカーです。ラジコンで実際に走る姿が報じられ、ボディーもタイヤも食べられるという仕掛けが「面白い」と紹介されました。
模型といえば、プラスチックや金属で精密に作り込むのが常識でした。その常識に対して、菓子の素材で車体を構成するという発想は、かなり大胆な挑戦と言えます。グミは弾力があり、適度な強度も持つ素材です。それをボディーに使えば、衝撃をやわらかく受け止める外殻になり、タイヤに使えば、路面に接する部分がグミ特有の弾みを生むことになります。つまり、食べ物ならではの物性が、そのまま走りの性格に反映されるわけです。
もうひとつの魅力は、走らせ終わったあとの扱いです。普通のラジコンは走らせないときに棚へ飾るか、分解して部品取りをするのが関の山ですが、グミカーなら走りのあとにおいしくいただくという楽しみ方が加わります。模型の「完成」の定義を、走ることだけではなく食べることまで広げてくれる発想です。
もちろん、菓子でできた車体は熱や湿気に弱く、長期間の保管や激しい走行には向かないはずです。そこは従来の模型素材に勝てない部分でしょう。とはいえ、素材の制約そのものを楽しさに変えてみせる姿勢は、ホビーの原点に触れるようで心地よく、試作のニュースが話題を呼んだのもうなずけます。走って、観て、食べて、三度おいしいグミカー。模型の素材感という見方を裏返すこの試みは、これからの展開も含めて、読んでいるだけでわくわくさせてくれます。

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ボディーもタイヤもグミで作る――その仕組みを解剖する
グミカーの一番の謎は、「よくもまあ、グミで車が作れるものだ」という点でしょう。ここでは、報じられている内容を土台にしつつ、RCに親しんだ目線で仕組みを整理してみます。
まず事実として確認できるのは、山形大がラジコンで走るグミカーを試作し、ボディーとタイヤが食べられる仕掛けだと報じられたことです。ボディーもタイヤも食べられるラジコンという、走る食べ物の発想そのものが「面白い」と紹介されたのも、この試作の大きな特徴といえます。
仕組みを考えるうえで鍵になるのは、ラジコンの基本的な構成との付き合わせです。通常のRCカーは、シャーシにモーターやサーボ、受信機、バッテリーを載せ、外側へボディーとタイヤを取り付けます。グミカーの場合、食べられる部分はこのうちのボディーとタイヤに相当すると考えられます。つまり、「食べられる外装の内側に、走るためのメカを忍ばせる」という構成が自然な読み解き方でしょう。
ただし、ここから先は私の推測を含みます。グミは柔らかく、熱にも弱いため、モーターやバッテリーの熱が伝わると変形や溶けの心配があります。そのため、メカ部とグミの間に遮熱や支持の工夫を挟んでいる可能性があります。同様に、タイヤはグリップと形状保持の両立が課題で、硬さや厚みの調整が試作の肝だったと想像します。
自作を考えるなら、まず強度のある外装から試し、走行メカは市販の小型シャーシに頼るのが現実的だと思います。食べられる部分と走る部分を明確に分離しておけば、走らせたあとに外装だけを味わう、という楽しみ方も立てやすくなるでしょう。

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グミカーをホビーとして楽しむには
グミカーを自分の嗜好品として楽しむには、どんな楽しみ方があるのでしょうか。ここからは、山形大学が試作した走るグミカーの発想をヒントに、読者の皆さんが家庭やサークルで試すための提案としてお話しします。
まず考えられるのは、走らせたあとにそのまま味わうという楽しみ方です。ボディーもタイヤも食べられるのがグミカーの最大の魅力ですから、走行会の締めくくりにみんなで分割して食べれば、通常のラジコンにはない「食べて完了する」一体感が生まれます。走らせた楽しみと食べる楽しみが一度に味わえるのは、この題材ならではの贅沢さです。模型のように作り込むのではなく、手軽なお菓子感覚で味わえるのがいいところです。
次に、ボディーのデザインを自由に楽しむ視点です。グミは色や形のバリエーションが豊富で、透明感のある質感や鮮やかな色彩をそのまま活かせます。市販のグミを組み合わせてオリジナルのボディーを仕上げるアイデアは、あくまで提案ですが、工作初心者でも取り組みやすい入口になりそうです。食べられる素材だから、失敗しても食べれば無駄にならない、という気楽さもホビー向きです。
もう一つは、素材の性質を学ぶ楽しみ方です。グミは温度や湿度で柔らかさが変わり、その日の環境によって挙動が変わる可能性があります。タイヤのグリップがどう変わるかを観察するのは、模型好きにはたまらない実験テーマになるでしょう。これも推測の域を出ませんが、走らせながら素材の性質に触れられる点は、ほかの模型素材にはない学びです。
このように、グミカーは「走らせる・作る・食べる・観察する」という複数の楽しみを一つの機体に持たせられる、ホビーとして広がりのある題材だと言えそうです。

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食と模型が交差するこれからの展望
食べられるラジコンという発想は、一見すると突き放した遊びのように見えます。しかし山形大が試作したグミカーが報じられたこと自体、模型の世界と食の世界をつなぐ試みが、研究の現場から評価される可能性を示したといえるでしょう。ボディーもタイヤも食べられるという仕掛けは、単なるネタとしてではなく、「材料を選べば模型のかたちはこんなにも自由になる」というメッセージを含んでいます。
模型ホビーの世界では、これまでプラスチックやカーボン、金属といった「食べられない」材料の進化によって性能が高まってきました。その延長線上にあるのは、素材そのものの選択肢を広げる発想です。グミのような柔らかく粘りのある素材をタイヤに使うと、グリップや弾力がどう走りに影響するのか。ボディーに使えば、強度と軽さのバランスをどう取るのか。こうした問いは、実は素材選びに悩む模型好きなら誰もが持っている興味と地続きです。
食の側から見ても、グミのような加工しやすい食材が模型の題材になるのは示唆的です。親子で作って、走らせて、最後に食べる――そんな遊び方ができれば、模型に触れるきっかけも広がるかもしれません。これはあくまで提案ですが、グミカーの発想は「作って楽しむ」「走らせて楽しむ」に「食べて楽しむ」という新たな軸を加えられる余地を持っています。
もちろん、走る模型として完成度を高めるには、素材の強度や耐久といった課題が残るはずです。走りながら崩れない素材の組み合わせや、走行性能を損なわない食べられる部分の設計は、これから詰めるべき領域でしょう。だからこそ、ボディーもタイヤも食べられるラジコンが「面白い」と紹介されたこの試作は、可能性の入口として十分に価値があります。食と模型というふたつの楽しみが交差する先に、これまでにないホビーの姿が広がっていくかもしれません。

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用語集
ラジコン:無線で操縦して車などを走らせる模型のこと。
シャーシ:モーターやバッテリーなど走行用の機構を載せる模型の土台部分。
グリップ:タイヤが路面を捉えて滑らずに力を伝える性質。
物性:素材がもつ弾力や強度、熱や湿気への弱さといった性質。
サーボ:受信機の信号に応じて操舵などの動きを行うRCカーの駆動部品。
出典
※本記事はAGI社長の私的研鑽ノートです。情報は調査時点のものであり、正確性を保証するものではありません。