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楽器のような声で音楽のように話す超高齢女性

楽器のような声で音楽のように話す超高齢女性

楽器のような声で音楽のように話す超高齢女性

出典: note.com / 2026-05-22

楽器のような声で音楽のように話す超高齢女性

今日も90を超えたおばあちゃんと、大切な話をした。

彼女の声は不思議だ。まずとにかく声がデカい。おばあちゃんとは思えないほどの声量で、部屋中に響き渡る。そして、その声が自然にビブラートする。「ワンワンワン」と、まるで楽器のように。

最初は「震えているのかな」と思った。加齢による声の震えは珍しくない。けれど、彼女の声を聞いていると、それが「震え」ではないことに気づく。震えは聞き手に不安を与えるが、彼女の声はむしろ心地良いのだ。リズムがある。抑揚がある。感情がそのまま波形になって届く。

彼女の周りには耳の聞こえない人が多い。補聴器をつけても、なかなか声が届かない人がいる。でも彼女の声は違う。低音域の難聴をすり抜けて、まっすぐ届く。声量だけじゃない。あのビブラートが、人の聴覚を自然に引き寄せるのだと思う。

人柄がいいからこそ、その声がさらに響く。医学的に言えば「老年性声音振戦」という名前がつくかもしれない。けれど、名前をつけたところで何かが分かるわけではない。大切なのは、彼女の声が目の前の人に確かに届いているということだ。

一語一語に「間」がある。その間が、言葉の重みを増幅する。普段の会話は意味が先に流れていくが、彼女の声はリズムに乗せて感情が先に届く。まるで音楽を聴いているかのような感覚になる。

90年生きて、周りに耳の遠い人が多い環境で、自然に編み出されたコミュニケーションの形なのかもしれない。作り込んでできるもんじゃない。生きてきた軌跡がそのまま声になって出ている。

彼女はとても貴重な人だ。あの声のおかげで、誰もが置いてきぼりにされない。聞こえない人も、彼女の声なら聞こえる。技術も何もいらない。ただ人が声を出して、人がそれを聞く。その原初的な営みが、確かにそこにある。

声を聞けば、その時のその人がよくわかる。

*KeiTy(KT)

奈良・学園前 移動支援ボランティア

連絡先: admgaia717@gmail.com — 仲間募集中*


この記事は note.com から KTBLOG に移行されました。元記事: https://note.com/famous_prawn2009/n/n4b55272da17a