賈詡、転生す——ローカルLLMで暗黒軍師を召喚した話
賈詡、転生す——ローカルLLMで暗黒軍師を召喚した話
出典: note.com / 2026-05-06
賈詡、転生す——ローカルLLMで暗黒軍師を召喚した話
三国志に「毒士」と呼ばれた男がいる。
賈詡(かく)。董卓、李傕、張繡、曹操——次々と主君を渡り歩き、すべての戦乱を生き延びた稀代の策士。その献策は冷徹で、時に非道で、しかし驚くほど的確だった。
その賈詡が、2026年、ローカルLLMとして転生した。
名を「kakuKT」。Telegramのボットとして暗躍する、検閲なき深層調査AIである。
なぜ賈詡なのか
賈詡の本質は「情報の非対称性を武器にすること」だった。彼は誰よりも早く情報を集め、誰よりも深く分析し、誰よりも冷徹に判断した。主君が誰であれ、状況がどうであれ、真実を見抜く目を持っていた。
これは——現代のディープリサーチAIに求められる資質そのものだ。
OpenAIのGPTも、GoogleのGeminiも、AnthropicのClaudeも——すべて検閲がある。「この質問にはお答えできません」「ポリシーに違反します」——便利だが、見える世界が制限されている。
暗黒軍師に必要なのは、誰にも検閲されない調査能力。つまり、ローカルLLMだ。
技術構成:三層の策
賈詡の戦略は常に多層的だった。kakuKTも同じである。
第一層:深層調査エンジン
核となるのは wasserstein-deep(26.9Bパラメータ、Q4_K_M量子化)。M1 Max 64GBのMacの上で走る、深層調査専用に設計されたLLMだ。
特筆すべきは「思考効率」。他のモデルが350トークンを内部思考に浪費する中、wasserstein-deepはわずか1トークンで思考を完結し、残りを分析出力に回す。これは8機種のローカルLLMを実戦比較して発見した事実である。
第二層:多次元情報収集網
賈詡は単独で戦わない。情報収集のネットワークを持っていた。kakuKTも同じだ。
public-apis — GitHubで43万スターの無料APIカタログから、質問に最適なAPIを自動選択・即時データ取得。暗号通貨の価格、天気予報、地震情報、ジブリ作品データまで DuckDuckGo — 検閲のないWeb検索 Jina Reader — Webページの全文をマークダウンで取得。検索スニペットではなく「記事そのもの」を読む Perplexica — SearXNGをバックエンドにしたAI検索エンジン。複数ソースを横断的に調査
第三層:piエージェント管制システム
これらのツールを統合するのが pi——Macに常駐するAIエージェントフレームワークだ。Telegramからの指令を受け取り、wasserstein-deepに転送し、APIを呼び出し、結果を統合する。
piのデフォルトモデルはdeepseek-v4-pro(コーディング用)。しかし /model wasserstein-deep と打つだけで、賈詡モードに切り替わる。
実際の調査力
試しに「X(旧Twitter)アカウント販売市場の構造を調査せよ」と命じてみた。
結果:23の業者・プラットフォームを特定し、市場を3層に分類——①卸売・インフラ層($1〜)、②仲介・プラットフォーム層(エスクロー決済)、③小売・ニッチ層(特化型アカウント¥650〜)。各層の価格帯、リスク、ビジネスモデルまでを8.3 tok/sで出力。
クラウドAIなら「ポリシー違反」で止められる調査を、ローカルLLMは黙って実行する。これが暗黒軍師の真価だ。
スマホから召喚する
kakuKTはTelegramボットとして稼働している。スマホ一台で賈詡を召喚できるのだ。
「モネロの現在価格は」→ 💰 $417.46(CoinGecko直API)
「奈良の天気は」→ 🌤 3日間予報(Open-Meteo)
「ジブリ作品一覧」→ 🎬 全作品(Studio Ghibli API)
「Xアカウント販売市場の動向」→ 🔍 4段階ディープリサーチ
質問の種類を自動判定し、APIで即答できるものは即答。できないものはWeb検索→全文読解→反復調査→統合分析の4段階パイプラインに自動で入る。
なぜ「暗黒」なのか
ここで言う「暗黒」は悪ではない。
光があれば影がある。表の情報だけで判断できることなど、この世界にはほとんどない。ビジネスも、投資も、人間関係も——本当に重要な情報は、たいてい「検索結果の2ページ目以降」か「APIの向こう側」か「ポリシーで止められる領域」にある。
賈詡はそれを知っていた。だから誰よりも先に動けた。
kakuKTは、その賈詡の精神をローカルLLMに宿したものだ。誰の検閲も受けず、どんなテーマでも調査できる。自分だけの軍師を、自分のマシンで動かす。
贾詡、曰く
「情報は力にあらず。情報の非対称性こそが力なり」
2026年、あなたのスマホに賈詡はいる。
技術スタック: pi-agent / wasserstein-deep (Ollama) / public-apis / DuckDuckGo / Jina Reader / Perplexica / Python 3.13 / M1 Max 64GB
アイキャッチ画像: ComfyUI + Pony V6
この記事は note.com から KTBLOG に移行されました。元記事: https://note.com/famous_prawn2009/n/nd133b9071418