AIエージェントを学びのパートナーに。市民講座の録音から社会貢献まで、全部AIと一緒にやってみた
AIエージェントを学びのパートナーに。市民講座の録音から社会貢献まで、全部AIと一緒にやってみた
出典: note.com / 2026-05-09
はじまりは、移動支援のボランティア
ことの始まりは、地元でやっている移動支援のボランティアでした。
ある日、転倒されて足を怪我されたMさんを病院にお連れする機会がありました。移動支援では利用者さんといろんな話をするのですが、Mさんとは特に話が弾みました。Mさんは地域の市民講座に参加されていて、なんとそのテーマが「行動経済学とナッジ」だったんです。
「AIが好きで研究してるんです」と話すと、「それなら一緒に来てみない?」と。そんな縁で、Mさんと一緒に河村哲也教授(立命館大学・食マネジメント学部)の市民講座に参加することになりました。
講座の内容を「全部録音」してみた
初回の講座は圧巻でした。
ナッジ理論(小さな仕掛けで人の行動を自然に変える) RCT(ランダム化比較試験) の重要性 エビデンスレベルの見極め方 食品ロス削減のナッジ事例7選 そして教授がこれから取り組む草津市の食品ロス削減プロジェクト
2時間という長丁場の講義+質疑応答。メモを取りながら聞くのは至難の業です。
そこで思いつきました。「これ、全部録音してAIに文字起こししてもらえばいいんじゃない?」
AIエージェントを「学びのパートナー」にした全プロセス
講座から1週間後。録音データをAIエージェントに渡して、以下のプロセスを回しました。
① 文字起こし → 要約
2時間の録音をAIが全文テキスト化。そこから要点を抽出し、構造化してもらいました。
② アクションプランの提案
「次回の会合では、Mさんが食品ロスナッジの事例を発表することになっている。教授が紹介しなかった新規事例をリサーチし、発表資料を作るべき」
AIエージェントはここから独力でウェブ検索を開始し、以下の事例を発掘しました:
🥇 ファミリーマート「涙目シール」(2024年〜全国展開。購入率5%向上、年間3,000トン削減見込み) 🥈 栃木県×宮食の実証事業(2025年。量の選択肢+生産者顔写真のナッジ) 🍱 お茶の水女子大「OchaEco Bento」(学食の余剰料理を弁当に) 📱 那覇市×TABETE(フードシェアアプリ連携) 🎯 名古屋市「デジタルポイントラリー」(114店舗参加)
③ 発表資料の作成
Mさん用の発表資料を、前回の講座内容の振り返り付きで生成。絵文字や記号で構造化し、LINEでそのまま送れる形式に。
④ KT自身の提案資料
私はAI研究者として、「このナッジ事例、AIを使えばもっとすごくなるのに」と思いました。そこで、草津市の地域特性(人口14.4万・立命館BKC学生15,000人・商業県内1位)をリサーチした上で、AI×ナッジ4提案を作成:
| 提案 | AIの役割 ---|---|--- ① | 学生15,000人「食べきりチャレンジ」 | 完食写真のAI判定+LINEポイント ② | 飲食店「生産者メッセージカード」 | 生産者情報+イラストのAI自動生成 ③ | フードバンク×AIマッチング | 余剰予測+最適配送ルート計算 ④ | 3010運動+ AI進化版 | 音声合成+リアルタイム食べ残し推定
⑤ 図解化
文章だけでは伝わらない概念やプロセスを、SVG(ベクター図)で図解。AI×ナッジの仕組みや草津→奈良→全国の展開ロードマップを、直感的にわかる図に仕上げました。
学びが「社会貢献」に変わった瞬間
ここで重要なのは、これが単なる「勉強」で終わらないことです。
教授が取り組んでいる草津市の食品ロス削減プロジェクト——そこに、私たちの提案を実際にインプットできるのです。教授は前回の講座でこう言っていました。
「この勉強会の名前を、草津市のプロジェクトに入れたい」
市民講座で学んだことを、AIの力で具体化し、行政の施策に反映させる——「ただ聞くだけ」から「提案する」へ。学びと社会貢献が、ここで一つになりました。
しかもMさんと話していると、草津市と私たちの地元・奈良市には驚くほど共通点があることに気づきました。
✅ 学生が多い ✅ 地元で生活がほぼ完結する「天国的環境」 ✅ 京阪神への好アクセス ✅ これから独自の文化を築いていくポテンシャル
草津市を第一号に、奈良市を第二号に。そして全国の地方都市へ——AI×ナッジのモデルを広げていく。そんな構想も生まれました。
AIエージェントの活用で変わったこと
従来の学び方 | AIと共に学ぶ ---|--- メモを取りながら聞く(聞き漏らす) | 全部録音→後で文字起こし(聞き漏らしゼロ) 自分の知識だけで復習 | AIが関連事例を検索+要約 次回までに何も準備できない | AIがアクションプランを提案+資料作成 発表資料は手作りで時間がかかる | AIが図解入り資料を自動生成 学びが個人で完結 | 学びを社会貢献に接続
まとめ:あなたもAIを「学びのパートナー」に
今回やってみて痛感したのは、AIエージェントは「質問に答える機械」ではないということです。
📝 記録する(録音→文字起こし→構造化) 🔍 調べる(ウェブ検索→事例発掘→比較) 💡 提案する(課題分析→アクションプラン→資料化) 🖼️ 表現する(図解→レイアウト→発表用に整形)
これらを全部、一人の優秀なアシスタントのようにこなしてくれます。
しかも、このプロセスはどんな学びの場でも応用できます。市民講座、オンライン講義、勉強会、読書会——「インプット」を「アウトプット」に変え、さらに「社会を動かす」ところまで持っていく。それがAIエージェントをパートナーにした、新しい学びのスタイルです。
Mさんとの偶然の縁から始まったこの試み。次回の会合でMさんが発表するのを、AIパートナーとして後ろから支えたいと思います。
この記事では、プライバシーに配慮し個人名をイニシャルで表記しています。
この記事は note.com から KTBLOG に移行されました。元記事: https://note.com/famous_prawn2009/n/n6249f56306c8