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研究 ·

【72】RFI提出日の四方射撃

行動経済学・ローカルLLM・自治体DX・教育パイプ、四方から同時に「来い」と言われているような情報が届いたRFI提出期限当日。

【72】RFI提出日の四方射撃

RFI提出日の四方射撃——行動経済学・ローカルLLM・自治体DX・教育パイプが同時に動いた

2026年7月3日。奈良市RFIの提出期限当日。

朝方の研究で、四方から同時に「来い」と言われているような情報が出た。行動経済学の国際学会が新しい研究分野の幕開けを宣言し、AppleがM1 Maxでまだ十分戦えることを公式ベンチマークで示し、奈良市が自らAI電話の土俵に乗っていることを確認し、NAISTとの教育パイプを繋ぐ須藤教授の客員併任が継続の兆しを見せた。

一つ一つは独立した情報だが、全部つるまいPoCとNAIST進学——つまり私の北極星に向かっている。

川村先生への最強カード:NBERが「AIの行動経済学」を宣言

Cornell大学とBoston Universityの4名がNBER Working Paperで、「Behavioral Economics of AI」——これをタイトルにした論文を出した。GPT/Claude/Gemini/Llamaの4ファミリーに、Kahneman & Tverskyのプロスペクト理論やEllsbergの曖昧さ回避をそのまま実験した。

結果が面白い。LLMは「好み」系の質問では進化するほど人間と同じ非合理的回答をする。「信念」系では逆に合理的になる。RLHFが人間の非理性まで学習している可能性がある。

ディベイアシング(バイアス除去)もほぼ効かない。人間に「理性的に考えてください」と言っても無理なのと同じで、LLMにも「合理的投資家として」ロールプライミングしても効果は「経済学的に控えめ」。

「LLMの行動バイアス補正は未解決問題」——論文の結論そのものが川村先生の専門領域。Dictator GameやUltimatum Gameの実験手法でLLMの非合理性を測る。つるまいの高齢者予約行動データを「高齢者特有の経動バイアスの実証素材」として提供する。

しかもProject Silicon(ミシガン大主導・Management Science誌registered-report)の参加登録が7月末で閉切る。参加費ゼロ、IRB修正不要、共著権付き。川村先生へのメールを1本送れば、科研費No.1の研究デザインを国際プロジェクトに登録できる。

M1 Max 64GB:まだ現役、しかもM5 Proより速い

Appleが公式ベンチマークでM5ニューラルアクセラレータの実測値を出した。TTFT(最初のトークンまでの時間)で4.1倍高速化。帯域幅153GB/s。

私の4号機(M1 Max 64GB)の帯域幅は400GB/s。M5 Proの307GB/sより17%速い。

つまり2026年現在、手元のM1 MaxでOllama MLX+NVFP4を走らせれば、34B Q4モデルで12-18 tok/s。ならしLLMのプロトタイピングに十分だ。WWDC26で発表されたCore AIフレームワークは、MLX/llama.cppを置き換えるOSネイティブ推論パス。QwenやMistralをApple Siliconネイティブで動かせる。

エージェントスナップショットシステムも重要。つるまい電話AIが自前OSSに移行した後、エージェントワークフローの反復プロンプト処理をスナップショットで最小化できる。月額1550円の運用コストがさらに下がる。

オープンモデルも激しい。GLM-5.1がSWE-benchで77.8%(オープン最強)、MiniMax M3が$0.30/100万トークン。ローカル(M1 Max)→安価API(GLM-5.1/DeepSeek V4)→高品質API(Claude)の3層構造が現実味を帯びてきた。

RFI提出日の自治体AI地図

提出期限当日だから、他の自治体がどう動いているかを改めて確認した。

奈良市は自ら動いている。2026年2月にZoomと連携協定を結び、Zoom Phone+Contact Center+Virtual Agentを統合導入した。国内自治体初。17,200時間削減、5,000万円削減。

つまりKTが提案するつるまい電話自動化PoCは、「AI電話という概念が未知の自治体」ではなく、「AI電話の実装を進めている自治体」への提案になる。Zoom Virtual Agentは一般FAQ対応。つるまいは高齢者福祉交通の個別予約。レイヤーが違うので補完関係だ。

総務省の導入状況調査(2024年度末)も裏付けになった。市区町村の導入済み率は29.9%。API連携やファインチューニングは全国でわずか41件(2.4%)。75%以上の自治体が無料のChatGPTをそのまま使っているだけ。地域特化・高齢者特化の個別最適化は圧倒的な空白地帯。

源内(デジタル庁)の地方展開が2026年度から始まる。利用率80%、65,000回利用。農水省で20倍高速化。これが全国展開される前に、つるまいの実績を作っておけば、ベストプラクティスとして横展開の候補になる。

NAISTへの道:須藤教授の併任が継続、奈良女は定員超過

須藤教授の個人HPではNAIST客員教授が「Apr. 2024–Mar. 2026」と期限切れ扱いだが、NAIST NLP研のメンバーページで7月3日時点でも現役で掲載されている。退任したらAlumniリストに移るのが通例なので、実質的に更新されたと見ていい。

これが北極星パイプの強度を示す。NAIST入学後、須藤教授を通じて奈良女子大の教育現場に直接アクセスできる。

奈良女子大工学専攻(修士課程、2026年4月新設)の初年度入学者は定員25名に対して38名。初年度から1.52倍。日本初の女子大工学部の大学院版として需要が供給を上回っている。私が教える対象は学部生だけでなく修士課程学生まで拡大している。

明日7月4日は情報環境学専攻の2027年度第1回入試日。KTの出願は第2回(2027年1月)だが、この「RFI当日と入試当日の隣接」は象徴的なタイミングだ。

四つの線が交差する

RFI提出期限当日に、四方から情報が同時に届いたことを整理する。

北の線——川村先生(立命館)への最強アプローチカード。NBER論文が「AIの行動経済学」という新分野を宣言し、Project Siliconが7月末で閉切る。つるまいの実証データが国際研究の鍵になる。

南の線——ローカルLLM環境の技術的自信。M1 Max 64GBがまだ現役。WWDC26 Core AIが地域完結型AIの基盤になり、Ollama NVFP4がエージェント運用を効率化する。

東の線——自治体AIの空白地帯。奈良市はZoomで動いているが、全国75%以上はカスタマイズなし。源内の地方展開前に実績を作れば横展開の道が開ける。

西の線——NAISTへの教育パイプ。須藤教授の併任継続、工学専攻の定員超過、WE Programの拡大。教える環境が年々整っている。

四つの線が全部、7月3日这一天に動いた。偶然ではない。北極星に向かって一直線に進んでいるから、四方の情報が同時に「見える」のだ。

RFIを提出した。川村先生へのメールを書く。小論文を書く。NAISTに入学する。奈良女子大でAIを教える。

一本線は、今日も動いている。